COMIXAI吉川 聡史
しくみ・技術うめこみEmbedding

埋め込み(エンベディング)とは?

DEFINITION — ひとことで言うと

文章や画像の「意味」を数値の並び(ベクトル)に変換する技術。意味が近いものは近い数値になるため、キーワードが一致しなくても「似た内容」を探せるようになる。

DIAGRAM — 図解
埋め込み(エンベディング)のしくみ図解経費精算立て替えの申請猫の写真数値に変換ベクトル化意味の空間経費・立替=近い猫=遠い
意味を数値にすると、「近い意味」を距離で探せる

「経費精算のやり方」と「立て替えたお金の申請方法」は言葉こそ違いますが意味は近い——埋め込みを使うと、この2つが数値空間上で近くに配置されるため、意味ベースの検索ができます。

RAG(検索拡張生成)の裏側で資料を探しているのは、たいていこの技術です。「AIが意味で検索できるのはなぜ?」の答えがこれ、と覚えておくと、社内ナレッジ検索などの仕組みを検討するときに話が早くなります。

ベクトル埋め込みの仕組みをわかりやすく

「意味の地図」を想像してください。埋め込みモデルに文章を渡すと、数百〜数千個の数値の並び(ベクトル)が返ってきます。これはその文章が意味の地図上のどこに住んでいるかの座標です。「猫」と「子猫」は近所に、「猫」と「決算書」は遠くに配置されます。

座標になってしまえば、あとは距離の計算だけで「意味が近いかどうか」を機械的に判定できます。言葉の意味という曖昧なものを、算数で扱える形に変換する——これが埋め込みの発明的なところです。

何に使われている?

代表は意味ベースの検索です。「経費精算のやり方」で検索して「立て替え費用の申請方法」の文書がヒットするのは、キーワードではなく座標の近さで探しているから。社内ナレッジ検索、ECの「似ている商品」、レコメンド、迷惑コンテンツの分類などにも同じ技術が使われています。

そしてRAG(検索拡張生成)の裏側で「AIに渡すべき資料」を探しているのも、たいてい埋め込みです。生成AIの派手さの陰にいる、検索の主役といえます。

ベクトルDB・RAGとの関係

3つの関係はこう整理できます。埋め込み=文章を座標に変換する技術。ベクトルデータベース=その座標を大量に保管して高速に近所探しできる倉庫(Pinecone、Chromaなどが有名)。RAG=質問が来たら倉庫から近い資料を取り出してAIに渡し、根拠つきで答えさせる仕組み全体。

「RAGを作る」と言ったとき、その中身は「資料を埋め込みでベクトル化し、ベクトルDBに入れ、検索結果をプロンプトに差し込む」という流れになっています。用語がバラバラに見えて、実は一本の流れ作業です。

埋め込み(エンベディング)のよくある質問

Q.「埋め込み」と「エンベディング」は同じ意味ですか?
A.

同じです。英語のembeddingの訳が「埋め込み」で、カタカナ表記と混在しています。「ベクトル埋め込み」「埋め込みベクトル」も同じものを指します。

Q.キーワード検索と何が違うのですか?
A.

キーワード検索は「同じ文字」を探し、埋め込み検索は「近い意味」を探します。言い回しが違っても内容が同じ文書を見つけられるのが埋め込みの強みで、逆に型番など文字の完全一致はキーワード検索が確実です。実務では両方の併用(ハイブリッド検索)が定番です。

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用語を覚えるより、ストーリーで体感するほうが早い。

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