COMIXAI吉川 聡史
メール・ビジネス文書🌏

英文メールのプロンプト

翻訳ではなく「英語圏のビジネスメール」を書かせるのがコツ。

英文メールでやりがちなのは、日本語で下書きしてから「これを英訳して」と頼むパターン。文法は正しくても、日本語特有の前置きや婉曲表現がそのまま移植された、英語圏の人には回りくどいメールになります。

正解は、翻訳させるのではなく最初から英語のビジネスメールとして書かせること。伝えたい用件と関係性を日本語で渡せば、AIは英語圏の型——結論が先、依頼は明確、でも失礼ではない——で組み立ててくれます。

まず、事故る指示から見る

BAD PROMPT — ありがちな頼み方

「お世話になっております。先日のお打ち合わせの件ですが、社内で検討しました結果、もう少しお時間をいただきたく存じます。」を英語にして。

↓ すると、こうなる

「We are always indebted to you. Regarding the matter of the meeting the other day, as a result of internal consideration...」…「お世話になっております」の直訳から始まる、英語ネイティブが読むと不思議な文面に。しかも「いつまで時間が必要か」という肝心の情報は、元の日本語にないので英語にもありません。

日本語のビジネスメールと英語のビジネスメールは、丁寧さの表現方法が根本的に違います。日本語は前置きと婉曲で敬意を示しますが、英語は明確さと相手の時間の節約で敬意を示します。直訳はこの変換をしてくれません。

また、日本語の「もう少しお時間を」のような曖昧表現は、英語圏では不誠実に見えることすらあります。翻訳ではなく「用件を渡して書かせる」ことで、この文化差ごと乗り越えられます。

コピペで使えるプロンプト

【 】の中を自分の状況に書き換えて使ってください。全部埋まらなくても大丈夫——埋めた分だけ、出力があなた仕様になります。

GOOD PROMPT — このままコピペOK
あなたは英語圏でのビジネス経験が長いバイリンガルのアシスタントです。
以下の内容で英語のビジネスメールを書いてください。

■伝えたいこと(日本語でOK)
・用件:【例:提案への回答期限を1週間延ばしてほしい】
・理由:【例:役員の承認プロセスに時間がかかっている】
・相手にしてほしいこと:【例:新しい期限(7/22)で問題ないか返事がほしい】

■相手との関係
・相手:【例:初めて取引する米国企業の担当者/何度もやりとりしている相手】
・丁寧さ:【フォーマル/標準的なビジネス/カジュアル寄り】

■条件
・英語圏の型で書く(結論を先に、依頼は具体的に)
・日本語的な前置き(「お世話になっております」の直訳など)は入れない
・件名も提案する
・本文の後に、各文の日本語訳と、丁寧さのニュアンス解説をつける

このプロンプトが効く理由

1
日本語で用件を渡す

無理に英語で下書きする必要はありません。伝えたい内容を日本語の箇条書きで渡すほうが、情報が正確に伝わり、出てくる英語も自然になります。

2
丁寧さレベルを3段階で指定

英語には敬語がない代わりに、語彙と構文で丁寧さが変わります。「Could you possibly...」と「Can you...」の距離感は、レベル指定しないとAIには決められません。

3
日本語訳とニュアンス解説をつけさせる

これがこのレシピの保険です。自分が送る文章の意味と温度を理解してから送れるので、「実は失礼な表現だった」という事故を防げます。英語の勉強にもなって一石二鳥です。

アレンジレシピ

もらったメールの解読から始める

相手のメールを貼って「このメールの要点と、返信で答えるべき点を日本語で整理して」と頼み、そのまま「では返信を書いて」と続けるのが実戦の流れです。読解→返信を1つの会話で完結できます。

自分の英語をレビューさせる

自力で書いた英文を貼って「文法ミスと、ネイティブに違和感を与える表現を指摘して。直しすぎず、私の文体は残して」と頼めば、英語力を保ったままAIを校正者として使えます。

定型返信のテンプレ化

「この種の問い合わせによく返信する。今後使い回せるよう、【】で穴埋めできるテンプレートにして」と頼めば、2回目からは穴埋めだけで済みます。

現場の注意(ここで事故る)

契約・法務がらみの英文は要注意

「合意した」「保証する」に相当する英語表現(agree, confirm, guarantee など)は法的な重みを持ちます。契約条件に触れるメールは、AIの下書きを叩き台にしつつ、確定表現は社内の然るべき人に確認してください。

文化圏で「標準」は変わる

同じ英語でも、米国・英国・シンガポール・インドではメール文化が微妙に違います。相手の国がわかっているなら「相手は英国企業」と一言足すと精度が上がります。

英文メール×AIのよくある質問

Q.DeepLなどの翻訳ツールとどう使い分けますか?
A.

資料の意味を知りたいだけなら翻訳ツールが速いです。相手に送る文章を作るなら、文化的な型ごと変換してくれる生成AIが向いています。「翻訳」と「執筆」は別の仕事、と覚えておくと使い分けやすいです。

Q.英語がほとんど読めなくても使えますか?
A.

使えますが、必ず「日本語訳とニュアンス解説つき」で出させてください。内容を理解しないまま送信するのは、白紙の契約書にサインするのと同じです。解説を読んで納得してから送る、を習慣にしましょう。

🎮
GAME — 遊んで身につける
お手本ひとつで
例文ひとつでAIの出力が化ける「フューショット」を体験。英文メールのテンプレ化に効く感覚です。

レシピは覚えるより、今日の仕事でひとつ試すほうが早い。