COMIXAI吉川 聡史
営業・顧客対応🧯

クレーム対応の返信のプロンプト

感情で返信を書かない。それだけでクレームの8割は燃え広がらない。

クレーム対応の返信がこじれる原因は、文章力ではなく、読み違えにあります。相手が求めているのが謝罪なのか、返金なのか、話を聞くことなのか——ここを外した返信は、どんなに丁寧でも火に油です。

AIをクレーム対応に使うときの正しい順番は、書かせる前に読ませること。クレーム文面をAIに分析させ、感情と事実と要求を切り分けてから、人間が対応方針を決め、最後に文章化だけAIに任せる。この3ステップが安全な型です。

まず、事故る指示から見る

BAD PROMPT — ありがちな頼み方

このクレームメールに返信を書いて。【クレーム文を貼り付け】

↓ すると、こうなる

「この度はご不快な思いをおかけし、誠に申し訳ございません。お客様の貴重なご意見を真摯に受け止め、今後のサービス向上に努めてまいります」…どのクレームにも使える定型謝罪が出てきます。「ご不快な思い」という言い回しは、怒っている相手には「気のせいだと言いたいのか」と読まれる地雷ワードです。

対応方針——謝るのか、事実関係を確認するのか、何を提供するのか——を渡していないので、AIは方針を決めずに済む定型文へ逃げます。しかしクレーム返信で相手が読むのは、まさに「で、どうしてくれるのか」の部分です。

そもそも方針の決定は、権限と責任を持つ人間の仕事です。AIに任せられるのは分析と文章化で、判断ではありません。この線引きを混ぜると危険です。

コピペで使えるプロンプト

【 】の中を自分の状況に書き換えて使ってください。全部埋まらなくても大丈夫——埋めた分だけ、出力があなた仕様になります。

GOOD PROMPT — このままコピペOK
あなたはカスタマー対応のベテランです。2段階で手伝ってください。

■ステップ1:まず分析だけ(返信文はまだ書かない)
以下のクレームを読み、次を整理してください。
・事実として何が起きたと主張しているか
・相手の感情はどの種類か(怒り/失望/不安/義憤)と、その強さ
・相手が本当に求めていそうなもの(謝罪/返金・交換/説明/改善の約束)
・返信で絶対に踏んではいけない地雷

【クレーム文を貼り付け】

■ステップ2:私が方針を決めたら、返信文を書く
方針は私がこの形式で指示します:
「事実確認の結果:【こちらのミス/調査中/誤解】
 提供するもの:【例:交換品を明日発送+送料返金】
 できないこと:【例:慰謝料的な対応はしない】」

返信文の条件:
・相手の言葉を1箇所引用して「読んだこと」を示す
・「ご不快な思い」「誠に遺憾」など、他人事に聞こえる定型句は禁止
・できないことは、ぼかさず、しかし戦わずに伝える
・300字前後

このプロンプトが効く理由

1
分析と執筆を分離する

いきなり書かせると、AIは方針まで勝手に決めてしまいます(勝手に返金を約束するなど)。「まだ書くな」の一文で、判断を人間の手元に残すのがこのレシピの核心です。

2
感情の種類を特定させる

怒りには謝罪、不安には説明、義憤には改善の約束——感情の種類で効く返信は変わります。AIは感情の分類が意外なほど正確で、頭に血が上った人間より冷静に読み取ります。

3
相手の言葉を引用させる

「◯◯とのこと、状況を確認しました」と相手の表現を引くだけで、「ちゃんと読んだ」ことが伝わります。定型文と感じさせない、最小コストで最大の効果がある技術です。

4
「できないこと」も渡す

できることだけ渡すと、AIは残りを曖昧にぼかし、後で「言った言わない」の火種になります。断る内容を明示的に文章化させるほうが、結果的に誠実で安全です。

アレンジレシピ

電話対応のトークスクリプト版

「メールではなく電話で連絡する。冒頭30秒の第一声と、想定される切り返し3パターンへの対応をスクリプトに」と頼めば、電話派のクレーム対応にも使えます。

社内エスカレーション報告

ステップ1の分析結果を使って「上司へのエスカレーション報告にまとめて。事実・相手の要求・対応案・判断してほしいことの順で」と頼めば、報告と相談が数分で整います。

現場の注意(ここで事故る)

個人情報を除いてから貼る

クレーム文には氏名・住所・注文番号などの個人情報が含まれます。AIに貼る前に個人情報部分を【顧客】【注文番号】などに置き換えるのを習慣にしてください。分析の質には影響しません。

法的リスクのある案件は独断で返信しない

「訴える」「消費者センターに相談する」などの言葉が出ている案件は、文章の巧拙の問題ではありません。返信前に上司・法務への相談を。AIの分析は、その相談を速く正確にするために使ってください。

謝罪の範囲は事実確認とセット

事実確認前の全面謝罪は、非を全面的に認めた扱いになる恐れがあります。「調査中」の段階では「ご指摘を受け止めて確認している」姿勢の表明に留める——この温度感もプロンプトの方針欄で指定できます。

クレーム対応の返信×AIのよくある質問

Q.理不尽なクレームにも謝罪すべきですか?
A.

事実無根の場合、謝罪ではなく「確認した事実の丁寧な提示」が基本です。ステップ1の分析で「誤解」と判定されたら、方針欄に「誤解」と入れてください。謝らずに敬意を保つ文章は、AIがかなり上手に書きます。

Q.返信のスピードと質、どちらを優先すべきですか?
A.

初動は速さです。分析→方針決定→返信文まで15分でできるのがこのレシピの価値。ただし一次返信は「受け止めた+いつまでに正式回答するか」だけでも成立します。焦って全回答を出す必要はありません。

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GAME — 遊んで身につける
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対応の「温度設定」がAIの出力をどう変えるか、接客シミュレーションで体験できます。

レシピは覚えるより、今日の仕事でひとつ試すほうが早い。