COMIXAI吉川 聡史
営業・顧客対応🎭

商談の想定問答のプロンプト

商談で詰まる質問は、だいたい事前に作れる。AIを「嫌な客」役に。

商談の勝敗は、当日のトークより前日の準備で決まります。特に「痛い質問への回答」を持っているかどうか。価格の根拠、競合との違い、導入失敗のリスク——聞かれてから考える営業と、答えを磨いてきた営業では、信頼の積み上がり方が違います。

AIの真価は、想定問答リストを作ることより、嫌な客を演じさせられることにあります。深夜でも付き合ってくれて、何度失敗しても評判に響かない相手と、本番前に3回商談をやっておく——これがこのレシピの使い方です。

まず、事故る指示から見る

BAD PROMPT — ありがちな頼み方

明日の商談で聞かれそうな質問と回答を教えて。商材はWeb制作です。

↓ すると、こうなる

「Q: 料金はいくらですか? A: お客様のご要望に応じてお見積りいたします。 Q: 納期はどのくらいですか? A: 内容によりますが——」…パンフレットのFAQレベルの質問と、当たり障りのない回答が並びます。本番で本当に詰まる「あの質問」は、ここには載っていません。

商談で詰まる質問は、商材の一般知識からは生まれません。相手の状況とこちらの弱点の交差点から生まれます。「他社より高い」「実績が少ない業界」「過去に一度失注している」——この文脈を渡さない限り、AIは教科書のFAQしか作れません。

また、質問リストを読むだけでは本番で口が回りません。声に出して詰まる経験は、ロールプレイでしか得られません。

コピペで使えるプロンプト

【 】の中を自分の状況に書き換えて使ってください。全部埋まらなくても大丈夫——埋めた分だけ、出力があなた仕様になります。

GOOD PROMPT — このままコピペOK
あなたは、営業担当を鍛える名物トレーナーです。
明日の商談に向けて、2段階で準備を手伝ってください。

■商談の状況
・相手:【例:製造業B社の購買部長。論理派で価格に厳しいと聞いている】
・商材と提案額:【例:業務システム導入、初期300万円】
・こちらの弱み:【例:この業界の実績が2件と少ない。競合より2割高い】
・商談のゴール:【例:次回、現場責任者を交えた要件定義の場をもらう】

■ステップ1:想定問答リスト
・「答えにくい順」に質問を10個。とくに弱み(実績・価格)を突く質問を厚めに
・各質問に、模範回答と「やってはいけない返し」をセットで

■ステップ2:ロールプレイ
リストの後、あなたはB社の購買部長になりきって商談を始めてください。
・私の回答が曖昧なら、すかさず深掘りで追い込む
・私が「終了」と言ったら、講評(良かった点2つ・改善点2つ)を出す

このプロンプトが効く理由

1
弱みを自己申告する

「実績が少ない」「価格が高い」を渡すことで、想定問答が教科書から実戦仕様に変わります。AIに弱みを見せるのはタダです。本番で露呈するほうが高くつきます。

2
「やってはいけない返し」もセットで

模範回答だけだと、本番で焦ったときの地雷が分かりません。「言い訳から入る」「競合の悪口を言う」など、NGパターンを事前に知っておくと踏みとどまれます。

3
ロールプレイまでやって完成

リストを読む準備は「知っている」止まり。声に出して詰まり、追い込まれてから、回答は身体に入ります。相手の人物像(論理派・価格に厳しい)を渡すほど、演技の精度が上がります。

4
商談のゴールを設定する

「受注」ではなく「次回の場をもらう」のような現実的なゴールを渡すと、クロージングのトークもそのゴールに向けて設計されます。

アレンジレシピ

難易度調整

「もっと意地悪に。一度食い下がっても納得しない設定で」と頼めば強めの特訓に、「初回訪問の和やかな温度で」と頼めば関係構築フェーズの練習になります。

商談後の振り返り

商談を終えたら、覚えている範囲のやりとりをメモしてAIに貼り、「答えに詰まった質問への、次回用のベター回答を一緒に作って」と続けると、商談のたびに問答集が資産として育ちます。

現場の注意(ここで事故る)

相手企業の内部情報の扱い

「B社の購買部長は論理派」程度は問題ありませんが、相手から聞いた予算や社内事情の詳細をそのまま入力するのは避けましょう。ロールプレイの質は、人物像の描写だけで十分に上がります。

AIの模範回答を丸暗記しない

台本の暗記は、想定外の質問が来た瞬間に崩れます。模範回答は「答えの構造(結論→根拠→次の一手)」を掴むために使い、言葉は自分のものに置き換えてください。

商談の想定問答×AIのよくある質問

Q.ロールプレイはテキストと音声どちらがいいですか?
A.

手軽さならテキスト、本番に近い負荷なら音声モードです。音声だと「考えながら話す」プレッシャーが再現されるので、大事な商談の前は音声でのリハーサルをおすすめします。

Q.新人教育にも使えますか?
A.

相性抜群です。新人が何度失敗しても顧客を失わないのがAIロープレの最大の利点。先輩が横につく前の「素振り」として、このプロンプトをチームで共有する使い方が広がっています。

🎮
GAME — 遊んで身につける
楽屋の台本
「役になりきらせる指示」の作り方を接客シミュレーションで体験。ロープレの演出力が上がります。

レシピは覚えるより、今日の仕事でひとつ試すほうが早い。