「全角半角混じりの名簿1000行」は、人間がやってはいけない仕事。
「株式会社」と「(株)」、全角と半角、姓名の間のスペースあり・なし——人手で集めたデータは必ず汚れています。この掃除は、人間がやると眠くなるうえにミスが出る、AIに引き取らせるべき筆頭の仕事です。
ただし雑に「きれいにして」と頼むのは危険です。AIが気を利かせて、指示していない部分まで「修正」してしまうことがあるからです。データ整形の鉄則は、変換ルールを人間が決め、AIには適用だけさせること。ルールを固定すれば、AIは1000行でも文句を言わない最強の作業者になります。
一見きれいになった表が返ってきます。しかしよく見ると、「渡邊」が「渡辺」に統一され、「合同会社」が「株式会社」に「修正」され、途中の20行がなぜか消えている——どこを変えたか本人(AI)も説明できない、監査不能なデータが出来上がります。
「きれい」の定義を渡していないので、AIが独自の美意識でデータを改変します。データ整形で怖いのは、間違いではなく善意の改変です。旧字体の統一は名簿では誤りですし、無断の行削除は事故です。
さらに、大量データを一度に貼ると、AIは途中を省略することがあります。「全行処理された保証」は、仕組みで担保する必要があります。
【 】の中を自分の状況に書き換えて使ってください。全部埋まらなくても大丈夫——埋めた分だけ、出力があなた仕様になります。
この一文が善意の改変を止める安全装置です。とくに「人名の漢字はそのまま」のような、変更してはいけないものの明示が、名簿系データでは命綱になります。
「処理行数50」と自己申告させ、元データの行数と突き合わせれば、無断省略・行落ちを機械的に検出できます。大量データをAIに触らせるときの基本作法です。
「どちらとも取れるデータ」をAIに勝手に判断させず、人間の確認キューに積ませます。全自動より、95%自動+5%人間確認のほうが、結果的に速くて安全です。
500行を一気に貼るより、50行ずつのほうが省略事故が起きにくく、検品もしやすい。急がば回れの分割です。
「住所を『都道府県/市区町村/それ以降』の3列に分割。判断に迷う住所は⚠マーク」——手作業だと最悪級に面倒な住所分割も、同じ型で処理できます。
「この表をメール差し込み用のCSVに」「箇条書きのメモを表形式に」など、データの形の変換全般に応用できます。ルール固定と行数報告の型はそのまま使えます。
整形前に「このデータの表記ゆれのパターンを検出して、統一ルールの案を作って」と頼めば、ルール作りの叩き台からAIに任せられます。採用するルールは人間が決めてください。
名簿はまさに個人情報の塊です。会社契約のAI(入力を学習に使わない設定)を使う、氏名列をダミーに置き換えて処理してから戻す、など社内ルールに沿った経路で行ってください。ここを飛ばすと、効率化どころか事故です。
整形後のデータで元ファイルを上書きしてはいけません。AIの整形には低確率でミスが混ざる前提で、元データを別名保存してから作業する——手戻り可能性の確保が、安心して任せるための条件です。
毎月1万行を処理するような定常業務は、チャットで処理するより、AIに変換用の関数やスクリプトを書いてもらって実行するほうが確実です(excel-formulaレシピ参照)。チャット整形は、単発・数百行までが適正規模です。
ルールを固定した整形の精度はかなり高いですが、100%ではありません。行数チェック+ランダムに10行の目視検品、をワンセットにしてください。それでも手作業より速く、たいてい正確です。
ルールが明確で繰り返すなら関数・スクリプト、ゆれ方が不規則で単発なら生成AIが向いています。「(株)の位置が前だったり後ろだったり」のような不規則さの吸収は、AIの得意分野です。
レシピは覚えるより、今日の仕事でひとつ試すほうが早い。