COMIXAI吉川 聡史
事務・効率化🧮

Excel・スプレッドシートの関数のプロンプト

「関数に詳しい同僚」が、隣の席に常駐する時代。

「この集計、関数でできるはずだけど書き方が分からない」——この15分の詰まりが、Excel仕事には1日に何度も発生します。AIはこの詰まりの特効薬で、やりたいことを日本語で言えば数式を書いてくれます。関数名を覚える時代は、実質終わりました。

ただしAIはあなたのシートが見えません。列がどこにあり、データがどんな形式か分からないまま書いた数式は、もっともらしく見えて動きません。表の構造を渡す——たったこれだけで、AIのExcel力は「うろ覚えの新人」から「頼れる同僚」に化けます。

まず、事故る指示から見る

BAD PROMPT — ありがちな頼み方

売上表から担当者ごとの合計を出す関数を教えて。

↓ すると、こうなる

「SUMIF関数を使います:=SUMIF(A:A, "担当者名", B:B)」…関数の選択は正しいのに、あなたの表では担当者はC列、金額はF列。そのまま貼ると0が返り、「AIは使えない」という結論だけが残ります。

AIは表の構造を推測で埋めるしかなく、世間で一番ありがちな配置(A列に名前、B列に数値)を仮定します。数式は1文字ずれれば動かないので、この推測が外れた瞬間に「正しい知識で書かれた、動かない数式」が生まれます。

また、セルの書式問題(数字が文字列として入っている、日付の形式が混在)は、Excelトラブルの二大源泉ですが、実物の状況を伝えないとAIには見抜けません。

コピペで使えるプロンプト

【 】の中を自分の状況に書き換えて使ってください。全部埋まらなくても大丈夫——埋めた分だけ、出力があなた仕様になります。

GOOD PROMPT — このままコピペOK
あなたはExcel・スプレッドシートの達人です。
以下の表で、やりたいことを実現する数式を作ってください。

■表の構造
・使っているのは:【Excel/Googleスプレッドシート】
・シート名と範囲:【例:「売上」シートのA1:F200】
・列の内容:【例:A=日付、B=商品名、C=担当者、D=単価、E=個数、F=金額】
・データの様子:【例:Fは数値。Cに空欄あり。1行目は見出し】

■やりたいこと
【例:G1以降に担当者の一覧を重複なしで出し、H列にその人の
F列合計を出したい。空欄の担当者は除外】

■出力の条件
・数式と、それが何をしているかの日本語解説をセットで
・エラーになりやすいポイント(空欄、文字列の数字など)があれば先に警告
・もっと簡単な別解(ピボットテーブルなど)があれば、それも教える

このプロンプトが効く理由

1
列の対応表が9割

「C=担当者、F=金額」の1行があるだけで、返ってくる数式はコピペで動くものになります。表の構造を伝える手間は30秒、動かない数式のデバッグは30分です。

2
ExcelかSpreadsheetかを明示

両者は似て非なるもので、片方にしかない関数が結構あります(GoogleのQUERY関数など)。ツール名を伝えないと、存在しない関数を勧められることがあります。

3
解説をセットでもらう

数式の意味が分かれば、次に似た場面が来たとき自分で応用できます。「動けばいい」から「分かって使う」への一歩が、コピペ指示の一行で手に入ります。

4
別解を聞いておく

複雑な数式より、ピボットテーブルや標準機能のほうが安全で速いことは多々あります。「数式で解く」に固執しないための保険です。

アレンジレシピ

エラーの修理

動かない数式は「この数式が#N/Aになる。表の構造は◯◯。原因の候補を可能性が高い順に」と貼るだけ。エラーメッセージとの格闘が、数分の質疑に変わります。

既存シートの解読

前任者が残した謎の数式を貼って「これが何をしているか、Excel初心者向けに日本語で説明して」と頼めば、引き継ぎ資料のないシートも解読できます。

マクロ・GASへの入り口

「この作業を毎週やっている。関数では無理ならマクロ(またはGoogle Apps Script)で自動化できるか、できるなら手順を初心者向けに」と聞けば、自動化の次の階段に進めます。

現場の注意(ここで事故る)

実データを貼るなら中身に注意

構造だけでなくデータの実物を貼ると精度は上がりますが、顧客名や給与などの実データは貼らないでください。ダミー行を数行作って渡せば、精度と安全の両方が手に入ります。

集計結果の検算を習慣に

数式が「動く」ことと「正しい」ことは別です。導入時に一度だけ、小さな範囲を手計算やフィルタで検算してください。特にVLOOKUP系の「それらしい値が返ってくるが実はズレている」事故は、検算でしか見つかりません。

Excel・スプレッドシートの関数×AIのよくある質問

Q.スクリーンショットを見せるのはアリですか?
A.

アリです。最近のAIは画像から表の構造をかなり正確に読み取ります。ただし個人情報が写り込んでいないかの確認と、読み取った列の対応が合っているかの一言確認はしてください。

Q.関数を覚える勉強はもう不要ですか?
A.

暗記は不要になりましたが、「何ができるか」の地図は持っておく価値があります。VLOOKUP・SUMIF・ピボットテーブルという道具の存在を知っていれば、AIへの頼み方が的確になり、返ってきた答えの検算もできます。

🎮
GAME — 遊んで身につける
速い脳・遅い脳
単純作業と考える作業、AIへの任せ方の使い分けを仕分けゲームで体験できます。

レシピは覚えるより、今日の仕事でひとつ試すほうが早い。