COMIXAI吉川 聡史
会議・報告🗒️

議事録作成のプロンプト

議事録係を卒業する。会議の記録は「決定・宿題・論点」の3つだけ。

議事録は、AIに任せられる仕事の代表格です。録音の文字起こしや走り書きのメモを渡せば、数十分かかっていた清書が数分で終わります。若手の残業の定番だったこの仕事は、もう人間が抱える必要がありません。

ただし「議事録にして」とだけ頼むと、発言を時系列に並べただけの読まれない議事録ができます。読まれる議事録の正体は、決定事項・宿題(誰が・いつまでに)・持ち越し論点の3点セット。この構造をプロンプトで指定するのがコツです。

まず、事故る指示から見る

BAD PROMPT — ありがちな頼み方

この文字起こしを議事録にまとめて。【文字起こしを貼り付け】

↓ すると、こうなる

「田中氏より予算について説明があった。佐藤氏より質問があり、田中氏が回答した。続いて鈴木氏より——」…誰が何を話したかの要約が延々と続き、結局何が決まって誰が何をするのかは、最後まで読んでも分かりません。

「議事録」という言葉のイメージがAIと共有できていないのが原因です。AIは無難な形式として発言録スタイルを選びますが、実務で必要なのは会議の結果です。求める構造を明示しない限り、AIは時系列要約に流れます。

また、文字起こしには雑談や言い直しが大量に混ざっています。「どこを捨てていいか」の基準を渡さないと、AIは捨てる勇気を持てず、全部を薄く要約してしまいます。

コピペで使えるプロンプト

【 】の中を自分の状況に書き換えて使ってください。全部埋まらなくても大丈夫——埋めた分だけ、出力があなた仕様になります。

GOOD PROMPT — このままコピペOK
あなたは会議の要点整理が得意な優秀なプロジェクトマネージャーです。
以下の会議の文字起こし(メモ)から、議事録を作成してください。

■会議の情報
・会議名と目的:【例:新サイト制作の第2回定例。デザイン方針の決定が目的】
・参加者:【名前と役割。例:田中(クライアント)、佐藤(デザイナー)】

■出力形式(この順番・この見出しで)
1. 決定事項 — 箇条書き。「〜する」と言い切りで
2. 宿題(ToDo) — 「誰が/何を/いつまでに」の表形式
3. 持ち越した論点 — 決まらなかったこと+なぜ決まらなかったか
4. 補足メモ — 上記に入らないが残す価値のある発言(最大3つ)

■条件
・雑談・言い直し・あいづちは捨てる
・発言者の特定が曖昧な箇所は「(要確認)」と印をつける。推測で断定しない
・文字起こしにない情報を補わない

■文字起こし
【ここに貼り付け】

このプロンプトが効く理由

1
見出しと順番を固定する

「決定事項→宿題→持ち越し」の構造を指定することで、発言録ではなく結果の記録になります。毎回同じ形式なら、読む側も一瞬で把握できます。

2
「推測で断定しない」の一文

文字起こしは音声認識のミスや発言者の混同を含みます。曖昧な箇所に(要確認)マークをつけさせることで、AIの創作が議事録に紛れ込むのを防げます。ここがこのプロンプトの安全装置です。

3
会議の目的を渡す

「デザイン方針の決定が目的」と伝えると、AIは何が重要発言かを判断できるようになります。目的を知らないAIには、雑談と重要議論の区別がつきません。

4
捨てる基準を明示する

「雑談・言い直しは捨てる」と許可を出すと、要約が一気に引き締まります。AIは指示がないと「全部大事かもしれない」と考えて薄めます。

アレンジレシピ

共有メール文まで一気に

議事録が出たあと「この議事録を関係者に送るメール文にして。宿題を持っている人の名前が本文で目立つように」と続ければ、送信まで5分で完了します。

自分の発言だけ振り返る

「この会議での私(佐藤)の発言だけ抜き出して、説明が分かりにくかった箇所を指摘して」と頼むと、議事録がプレゼンの練習台に変わります。

定例会議の差分レポート

前回の議事録も一緒に貼って「前回の宿題のうち、今回進捗が報告されなかったものをリストアップして」と頼むと、やりっぱなし検出器になります。

現場の注意(ここで事故る)

録音と文字起こしの社内ルールを確認

会議の録音をAIサービスに入力してよいかは、会社のルールによります。特に社外の参加者がいる会議は、録音の同意と入力可否を事前に確認してください。議事録の効率化でコンプラ事故を起こしては本末転倒です。

数字と固有名詞は原文照合

音声認識は数字と人名・社名を間違えやすく、AIはその間違いを流暢に清書します。金額・日付・名前だけは、共有前に元のメモや資料と突き合わせてください。

決定事項の解釈ズレは人間の仕事

「あの発言は決定だったのか、検討の続きだったのか」の判断はAIには荷が重い領域です。(要確認)がついた箇所は、必ず出席者に確認してから配布しましょう。

議事録作成×AIのよくある質問

Q.文字起こしはどうやって用意すればいいですか?
A.

オンライン会議ツールの文字起こし機能(Teams、Zoom、Google Meetなど)が手軽です。対面の会議なら、スマホの録音をWhisperなどの文字起こしAIにかける方法があります。精度が多少粗くても、要約段階でAIがかなり吸収してくれます。

Q.長い会議の文字起こしが長すぎて入りません。
A.

1時間の会議の文字起こしは1〜2万字程度で、最近のAIならそのまま入ることが多いです。入らない場合は前半・後半に分けて要約させ、最後に「2つの要約を統合して」と頼めばOKです。この「入る量」の正体は、用語集の「コンテキストウィンドウ」で解説しています。

Q.議事録AIの専用サービスと何が違いますか?
A.

専用サービスは録音から一気通貫で楽な反面、形式のカスタマイズに限界があります。このレシピの方法は一手間かかる代わりに、自社の議事録フォーマットに完全に合わせられるのが強みです。

🎮
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レシピは覚えるより、今日の仕事でひとつ試すほうが早い。