スライドを開く前に、AIと「筋」を決める。それだけで資料作りは半分終わる。
資料作りが遅い人の共通点は、構成が決まる前にスライドを作り始めることです。デザインをいじりながら筋を考えるので、直しが無限に発生します。AIの正しい使い所は、スライドを1枚も作る前の「筋を決める」工程です。
プレゼンの筋とは、聞き手が誰で・何を決めてもらいたくて・そのために何をどの順で見せるか。これをAIと5分で固めてから作り始めると、スライド作成は「決まった筋の清書」になり、後戻りが激減します。
「1. 表紙 2. 会社概要 3. 市場背景 4. サービス概要 5. 特徴① 6. 特徴② 7. 特徴③ 8. 料金 9. 導入事例 10. まとめ」…どんなサービスにも使える教科書どおりの目次が出てきます。聞き手が誰かも、何を決めてもらう場かも反映されていない、いわば「構成のテンプレ営業文」です。
プレゼン構成の正解は、内容ではなく聞き手と目的で決まります。同じサービスでも、現場担当者への説明会と役員への決裁プレゼンでは、見せる順番も分量も別物。その情報なしでは、AIは最大公約数の目次しか出せません。
特に抜けがちなのが「聞き手の反対理由」です。プレゼンは、聞き手の頭にある疑問や懸念に先回りして答える構成にできたとき、初めて通ります。
【 】の中を自分の状況に書き換えて使ってください。全部埋まらなくても大丈夫——埋めた分だけ、出力があなた仕様になります。
「今やる必要ある?と言われそう」という情報が、構成を根本から変えます。優れたプレゼンは説明ではなく説得の設計——説得は相手の抵抗から逆算するものだからです。
各スライドの「言いたいこと」を1行で言語化させると、その1行がそのままスライドの見出しになります。この骨子が固まれば、資料作成は流し込み作業です。
弱点を渡すと、AIは「隠す」以外の扱い方——先に自分から言う、対策とセットで見せる——を設計してくれます。質疑で刺されるより、構成で処理するほうが圧倒的に有利です。
15分なら本編10枚前後が相場です。時間を伝えないと、AIは20枚30枚の「全部入り」を設計してしまいます。
骨子が固まったら「スライド3の本文を書いて。見出し+箇条書き3点以内+図解案も」と1枚ずつ進めます。一気に全部作らせるより、1枚ずつのほうが質を保てます。
「この構成に対して、役員が突っ込みそうな質問を10個、厳しい順に。それぞれ模範回答つきで」と続ければ、質疑対策まで同じ会話で完了します。
「急遽3分しかもらえなくなった。この構成を3枚に圧縮するなら何を残す?」——本番直前のよくある事故にも、筋が固まっていれば即対応できます。
売上見込みや顧客ヒアリング結果は機密度が高い情報です。構成設計の段階では「8社が好反応」程度の粒度で十分。詳細な数字は、社内ルールで許可された環境でだけ扱いましょう。
構成案の中にAIが「市場規模は◯◯億円」のような数字を勝手に入れてくることがあります。もっともらしくても出典のない数字は使わず、自分で調べた数字に差し替えてください。役員はそこを突いてきます。
構成→本文→デザインの順で、後ろに行くほど専用ツールの領域になります。このレシピは最上流の「構成」用です。デザインはパワポのデザイナー機能や生成系スライドツールと組み合わせるのが現実的です。
共有だけが目的なら、このレシピは大げさです。「summary(要約)」レシピでA4メモを作るほうが早い。プレゼン構成レシピは「誰かに何かを決めてもらう資料」のためのものです。
レシピは覚えるより、今日の仕事でひとつ試すほうが早い。