Metaが2026年9月に公開したパーソナルAIエージェント。質問に答えるだけでなく、買い物や予約、書類の記入までを本人に代わって実行する。2026年9月時点の提供は米国のみで、AIグラスやキーホルダー型の端末にも載りはじめた。
Muse(ミューズ)は、Metaが2026年9月8日に公開したパーソナルAIエージェントです。ChatGPTやClaudeのようなチャットAIが「聞かれたことに答える」道具なのに対し、Museは「代わりにやる」ことを目的に作られています。メールやカレンダー、買い物サイトなどのアカウントにつながり、商品の値段を調べて買う、チケットを取る、予約を入れる、申込書を埋める、長い目標を手順に分解する——といった多段階の手続きを本人の代わりに進めます。動かしているのは、Metaがエージェント用に作ったマルチモーダルモデル「Muse Spark」です。
話題が一気に広がったのは、9月23〜24日のMeta Connect 2026でした。MetaはMuseをAIグラスに載せ、さらにキーホルダー型の専用端末「Muse Charm」を発表しています。スマホのアプリの中にいたエージェントが、身につける機械のほうへ出てきた格好です。いっぽうで公開直後にMac版の脆弱性が見つかって修正される一幕もあり、「どこまで任せられるか」がそのまま論点になりました。2026年9月時点で使えるのは米国のみ・18歳以上という制限つきです。
違いは「答える」か「やる」かの一点です。たとえば「来週、歯医者を予約したい」と頼んだとき、チャットAIが返すのは電話番号や予約サイトのURL、つまり手順です。実際に電話をかけたりフォームを埋めたりするのは自分。エージェントは、カレンダーの空きを見て、予約ページを開いて、名前と連絡先を入れて、確定まで進めます。報じられている得意分野は、買い物と値段調べ、請求内容の見直し、旅行の手配、フォームの記入といった「面倒だが決まりきった手続き」です。
そのためにMuseは、あなたのアカウントにつながる必要があります。便利さの正体は「権限を渡していること」で、これはMuseに限らずエージェント全般に共通する構造です。裏を返せば、任せる範囲を決められるか、何につながっているかをあとから確認できるか、が道具選びの基準になります。「賢いかどうか」より先に「どこまで触れるか」を見るのが、エージェント時代の読み方です。
対応は米国のみで、18歳以上。専用アプリかWhatsAppから使う形で、日本からの提供時期は2026年9月時点で公表されていません。特徴的なのは、無料で使い始める場合でも支払い用のカード登録を求められる点です。料金は3段階で、無料枠のほかに月20ドルと月100ドルの上位プランがあると報じられています(機能そのものはプランで制限されず、違うのは週あたりに使える量だという説明です)。
端末側も広がりました。Meta Connect 2026では、Ray-Ban MetaのAIグラスでMuseが使えるようになり、キーホルダー型の「Muse Charm」も発表されています。約2インチの画面と指紋センサーを備え、アバターの見た目や声を選べる小型機で、2026年内の発売予定・価格は未定です。ザッカーバーグ氏自身が最終デザインではないと述べており、まだ動いている途中の製品と見ておくのが安全です。
公開直後の9月21日、Mac版のMuseに脆弱性が見つかりました。アプリに説明のない内部設定が残っていて、同じパソコンの中で動く別のプログラムからそれを書き換えられる状態だった、というものです。書き換えられると、読み上げ機能が送るはずのない相手に音声とアカウントの認証情報を渡してしまう恐れがありました。Metaは翌日に修正版を出し、「遠隔からの攻撃ではなく、すでにそのパソコンに入り込んだ相手による権限の昇格だ」と説明しています。修正済みではありますが、エージェントがどれだけの鍵を預かっているかを可視化した出来事でした。
備えは3つで足ります。①つなぐアカウントは最小限から始める(いきなり決済やメールの全権を渡さない)。②アプリは自動更新にして、直しが出たらすぐ当てる。③重要な操作について「実行前に確認する」設定があれば必ず使う。エージェントは便利さと危うさが同じ場所から出てくる道具なので、「速く任せる」より「戻せる形で任せる」ほうが、結果的に長く使えます。
2026年9月時点では米国のみの提供で、日本での開始時期は公表されていません。対象も18歳以上に限られています。日本で試せるようになるのは、機能の日本語対応が整ってからになりそうです。
無料枠があります。ただし無料で始める場合でも、支払い用のカード登録が求められると報じられています。料金は3段階で、上位プランでは週あたりに使える量が増える形です(2026年9月時点)。
Museを使うためにMetaが発表した、キーホルダー型の小型端末です。約2インチの画面と指紋センサーを備え、画面に出るアバターの見た目や声を選べます。2026年内の発売予定で、価格は2026年9月時点では未定です。
用語を覚えるより、ストーリーで体感するほうが早い。