2026年9月、米政府がAI(人工知能)の呼び名を「Super Intelligence(SI)」に改めると表明した際の呼称。AIの分野には同じ綴りで「人間を超えたAI」を指す既存の専門用語があり、意味が二重になっている。
SI(スーパーインテリジェンス)は、2026年9月に米政府がAIの新しい呼び名として打ち出した言葉です。9月22日の国連総会演説で、トランプ大統領がAI(Artificial Intelligence)を今後「Super Intelligence」と呼ぶと表明し、米国の公式文書でこの呼称を使うと宣言しました。理由として挙げたのは「artificial(人工)だとフェイクのように聞こえる」という点です。呼び名はSNS(Truth Social)の投票で決められたと報じられており、最初の候補(Superior/Extreme/Supreme)にSuper Intelligenceは入っておらず、2回目の投票で採用されました。
話題になっているのは、政治の話としてより、言葉がぶつかったからです。AIの世界では「Superintelligence(超知能)」は以前から、あらゆる分野で人間の知性を大きく超えた——まだ存在しないAIを指す専門用語でした。開発を止めるべきか加速すべきかが激しく論じられている、慎重に扱われてきた言葉です。そこに「いま動いているAI全般」という意味が重なりました。9月25日には、習近平国家主席の訪米にあわせてトランプ氏が「習主席もこの改称に賛同した」とSNSに投稿しましたが、各媒体の報じ方は「トランプ氏がそう述べた」という形で、中国側が確認したという報道は2026年9月時点では見当たりません。
決まったのは、米政府の公式文書での呼び方です。トランプ大統領は、米国の公式文書を、できれば世界の文書も新しい呼称に変えたい、という趣旨を述べています。一方で、学術用語やAI各社の製品名、日本語の報道が置き換わったわけではありません。日本国内でこの呼び名が定着する動きは、2026年9月時点では見られません。
つまり現状は「米政府の文書ではSI、それ以外ではAI」という二本立てです。行政文書や米国発の発表文を読むときに、SIという略語が出てきたら「AIのことだ」と読み替えればよい——実務上はそれで足ります。
ここが実際に困るところです。AIの到達段階は、特化型AI(いま)→AGI(人間並みの汎用性)→ASI・超知能(人間を超える)という梯子で語られてきました。いちばん上の段の名前が「Superintelligence」です。すると「SIが実現した」という一文は、旧来の意味なら「人類を超えるAIが生まれた」、新しい意味なら「ふつうのAIが動いた」——ほとんど正反対に読めてしまいます。
専門家からも、すでに定着した用語を別の意味で使うと議論が混乱する、という指摘が出ています。当面の読み方は単純で、出どころを見ることです。米政府やホワイトハウス発の文書にあるSIは「AIの言い換え」、研究者や安全性の議論に出てくるSuperintelligenceは「人間を超えたAI」。このサイトでは混乱を避けるため、従来どおり超知能=人間を超えたAI、AI=AIとして書きます。
呼び名の変更は、技術そのものを何も変えません。ただ、言葉は議論の土台なので、呼び方が変われば前提もずれます。「artificial(人工)」という語には、「これは人が作った道具であって、人間とは違う」という含みがありました。「super(超)」に置き換えると、その含みは消え、代わりに「人間より上」という方向の連想が入ります。報道では、国際的な規制によってAI開発が遅れることへの反対という立場と結びつけた解説もされています。
読み手としてできるのは、名前に引きずられないことです。SIと呼ばれようとAIと呼ばれようと、できることとできないことは変わりません。名前が変わったというニュースを見たら、「それで何ができるようになったのか」を別に確かめる——この一手間があれば、言い換えに振り回されずに済みます。
米政府の言う「SI(Super Intelligence)」はAIの呼び名を変えたものなので、指しているものは同じAIです。2026年9月にトランプ大統領が国連総会で表明しました。ただしAIの分野には、以前から「Superintelligence(超知能)」=人間の知性を大きく超えた、まだ存在しないAI、という別の意味があります。同じ言葉が二つの意味で使われている状態です。
2026年9月時点でその動きは見られません。決まっているのは米政府の公式文書での呼び方で、学術用語や各社の製品名、日本語の報道が置き換わったわけではありません。当面は両方の呼び方が混在すると見ておくのが現実的です。
トランプ大統領は「artificial(人工)だとフェイクのように聞こえる」と述べています。呼び名はSNSでの投票で選ばれたと報じられました。報道では、国際的な規制でAI開発が遅れることに反対する立場と結びつけた解説もされています。
用語を覚えるより、ストーリーで体感するほうが早い。