「校正して」と頼むと、文体まで別人になって返ってくる。
送信ボタンを押す直前の「読み直し」は、AIがいちばん確実に役立つ場面のひとつです。誤字脱字・敬語のねじれ・主語の迷子——自分の文章ほど、自分では見えません。書いた直後の脳は「書いたつもりの文章」を読んでしまうからです。
ただし「校正して」とだけ頼むのは危険です。AIは良かれと思って文体ごと書き換え、あなたらしさが消えた「AIの文章」が返ってきます。このレシピの核心は、直すレベルを自分で選ぶこと。誤字だけ直すのか、読みやすさまで踏み込むのか——それを指定した瞬間、AIは優秀な校正者になります。
文法は正しいけれど、どこか他人行儀な文章が返ってきます。自分の言い回しは標準語に均され、あえて柔らかくした表現は固い敬語に置き換わり、どこを直されたのかも分からない。結局、原文と見比べながら「戻す作業」が始まります。
「校正して」は範囲が広すぎる指示です。誤字修正から全面リライトまでの間のどこを頼まれたのか分からないAIは、いちばん手を入れた状態=書き直しを選びがちです。
もうひとつの問題は、変更箇所が見えないこと。全文が置き換わって返ってくると、どこが間違っていたのかを学べず、意図して書いた表現まで気づかないうちに消されます。校正は「直してもらう」より「指摘してもらう」方が安全なのです。
【 】の中を自分の状況に書き換えて使ってください。全部埋まらなくても大丈夫——埋めた分だけ、出力があなた仕様になります。
「どこまで直すか」の裁量をAIに渡さないのが最大のコツです。送信直前はレベル1、提出物はレベル2、公開記事はレベル3——場面で使い分けると、過剰な書き換えが消えます。
全文置き換えではなく「元→修正案→理由」の表にすると、採用するかどうかを1件ずつ自分で決められます。理由を読むうちに、自分の間違いの癖も見えてきます。
この1行がないと、AIは丁寧さの基準を自分の標準に揃えようとします。あえて砕けた表現、あえて短い文——意図のある選択を守るための保険です。
「敬語の正しさ」は相手との関係で変わります。社内チャットと取引先メールでは正解が違う。用途と相手を書くだけで、指摘の的中率が目に見えて上がります。
過去に自分で書いた文章を2〜3本貼って「これが私の文体です。この文体は維持したまま校正して」と頼むと、言い回しの保存精度がさらに上がります。
スピーチや動画の台本なら「声に出して読んだときに言いにくい箇所、息継ぎしにくい長文を指摘して」と足すと、目では見つからない引っかかりが拾えます。
公開文章なら「誤解されうる表現、特定の読者を傷つけうる表現があれば、意図とのズレを説明付きで指摘して」を追加。投稿前の最後の安全弁になります。
人名・社名・金額・日付の「正しさ」はAIには判定できません(原本を知らないため)。むしろ自信満々に誤変換を見逃します。固有名詞と数字だけは、最後に人間の目で原本と突き合わせてください。
レベル3の提案を全部採用すると、滑らかだけど無個性な文章になりがちです。提案は「気になっていた箇所だけ採用」くらいの距離感が、自分の文章を保つコツです。
できますが、長文では指摘の密度が後半で落ちることがあります。大事な文章なら章ごと・セクションごとに分けて渡す方が、見落としが減って確実です。
使えます。同じプロンプトの「文章の用途」に『ネイティブに違和感のない表現か』の観点を足してください。ビジネス英文メールは専用レシピ「英文メール」も参考になります。
あります。特に専門用語や業界の言い回しを「誤り」と判定することがあります。だからこそ全文書き換えではなく指摘の一覧にして、採否を自分で決める形が安全なのです。
レシピは覚えるより、今日の仕事でひとつ試すほうが早い。